留学生から就労ビザへ変更する方法|審査で評価されるポイントと手続きの実務
日本の大学・短期大学・専門学校などを卒業した留学生が、日本で就職して働くためには、原則として「留学」から就労可能な在留資格へ変更する必要があります。
多くのケースでは、在留資格「技術・人文知識・国際業務」への変更が検討されます。
留学生本人からは、「内定が出たらすぐ働けるのか」「卒業前でも申請できるのか」「専門学校卒でも就労ビザに変更できるのか」「アルバイトをしすぎていた場合に不許可になるのか」という相談があります。
会社側からも、「外国人留学生を採用したいが、いつから手続きすべきか」「4月入社に間に合うのか」「会社側で何を準備すればよいのか」という相談があります。
結論からいうと、留学生から就労ビザへの変更は、内定があるだけでは許可されません。
仕事内容が就労ビザの範囲に合っていること、学校で学んだ内容や本人の経歴と仕事内容に関連性があること、会社側の事業実態や雇用条件を説明できることが重要です。
特に、専門学校卒の場合は、専攻内容と仕事内容の関連性が重要になります。
この記事では、留学から就労ビザへ変更する流れ、申請時期、必要書類、審査で見られるポイント、専門学校卒の注意点、アルバイト超過や出席状況の影響、会社側が準備すべきことを整理します。
この記事で分かること
- 留学から就労ビザへ変更する基本的な流れ
- 留学生が就職するときに必要な在留資格変更許可申請
- 卒業前・内定後にいつ申請すべきか
- 大学卒・短大卒・専門学校卒で見られるポイント
- 専攻内容と仕事内容の関連性が重要になる理由
- 留学生のアルバイト超過・出席状況が影響するケース
- 外国人留学生を採用する会社側の準備
注意:「留学」の在留資格のまま、卒業後に就職先で働き始めることはできません。就労ビザへの変更許可を受ける前に就労を開始すると、在留資格の問題が生じる可能性があります。会社側も、入社日を決める前にビザ変更のスケジュールを確認しておく必要があります。
留学から就労ビザへ変更するとは
留学生は、「留学」という在留資格で日本に在留しています。
「留学」は、日本の学校で教育を受ける活動を行うための在留資格です。
卒業後に日本の会社で働く場合は、働く仕事内容に合った在留資格へ変更する必要があります。
一般的には、大学・短大・専門学校などを卒業して日本企業へ就職する場合、在留資格「技術・人文知識・国際業務」への変更が検討されます。
ただし、就職先や仕事内容によっては、特定技能、技能、経営・管理など、別の在留資格を検討すべき場合もあります。
在留資格の基本については、在留資格とは何かで整理しています。
内定があるだけでは許可されない
留学生が就職先から内定を受けても、それだけで就労ビザへの変更が許可されるわけではありません。
入管では、主に次のような点が確認されます。
- 仕事内容が就労ビザの範囲に合っているか
- 本人の学歴・専攻・職歴と仕事内容に関連性があるか
- 給与が日本人と同等額以上か
- 勤務先の事業実態があるか
- 雇用契約書や会社資料に矛盾がないか
- 留学中の在留状況に問題がないか
そのため、内定後は、単に申請書を作るのではなく、仕事内容と本人の経歴が就労ビザの要件に合っているかを確認する必要があります。
就労ビザの要件については、就労ビザの要件で整理しています。
許可が出るまでは就労を開始できない
留学から就労ビザへ変更する場合、変更許可が出るまでは、原則として就職先で就労を開始できません。
内定通知書や雇用契約書があっても、在留資格が「留学」のままでは、就労ビザで予定している仕事を始めることはできません。
会社側では、入社予定日を決める際に、在留資格変更許可申請の審査期間を考慮する必要があります。
就労ビザの審査期間については、就労ビザの審査期間も確認しておきましょう。
留学生が就労ビザへ変更する流れ
留学から就労ビザへ変更する場合は、在留資格変更許可申請を行います。
大まかな流れは次のとおりです。
1. 内定・採用条件を確認する
まず、就職先から内定を受け、雇用条件を確認します。
この段階で確認すべき主なポイントは次のとおりです。
- 雇用契約の開始日
- 職務内容
- 勤務地
- 給与・賞与・手当
- 勤務時間
- 雇用期間
- 社会保険加入の有無
- 会社側で準備できる資料
職務内容があいまいなまま進めると、就労ビザの要件に合うか判断できません。
会社側では、内定段階で、本人に任せる業務内容を具体的に整理しておくことが重要です。
2. 本人の学歴・専攻と仕事内容の関連性を確認する
次に、本人の学歴・専攻と、就職後の仕事内容が関連しているかを確認します。
大学卒の場合は、専攻と仕事内容の関連性を比較的広く説明できることもあります。
一方、専門学校卒の場合は、専攻内容と仕事内容の関連性が特に重要になります。
たとえば、IT系の専門学校を卒業してシステム開発を行う場合は説明しやすい一方、ホテル・観光系の専門学校を卒業して、実際には配膳や清掃などの現場業務が中心になる場合は注意が必要です。
短大・専門学校卒の就労ビザについては、短大卒・専門学校卒で就労ビザは取れるかで整理しています。
3. 本人側・会社側の必要書類を準備する
本人側では、申請書、写真、パスポート、在留カード、卒業証明書、成績証明書、履歴書などを準備します。
会社側では、雇用契約書、会社案内、登記事項証明書、決算書類、職務内容説明書、採用理由書などを準備します。
必要書類は、勤務先の会社規模、申請内容、本人の学歴や職歴によって変わります。
必要書類については、就労ビザの必要書類で整理しています。
4. 在留資格変更許可申請を行う
必要書類が整ったら、在留資格変更許可申請を行います。
申請は、住居地を管轄する地方出入国在留管理官署に対して行います。
申請取次行政書士に依頼する場合、本人が窓口へ出頭せずに進められる場合があります。
申請後は、入管で審査が行われます。
審査では、仕事内容、本人の学歴・専攻、会社資料、給与、在留状況などが確認されます。
5. 審査・追加資料対応
申請後、入管から追加資料を求められることがあります。
追加資料が来る主な理由は、仕事内容が分かりにくい、専攻との関連性が弱い、会社資料が不足している、雇用条件に確認が必要などです。
追加資料が来た場合は、求められた資料を出すだけではなく、審査上どこを確認されているのかを考えて対応することが重要です。
追加資料への対応については、ビザ申請で追加資料を求められた場合の対応で整理しています。
6. 許可後に新しい在留カードを受け取る
在留資格変更が許可された場合、新しい在留カードを受け取ります。
変更許可後は、就労ビザで認められた活動を開始できます。
会社側では、在留カードの在留資格、在留期間、在留期限を確認し、申請時に説明した職務内容と実際の業務がずれないように管理しましょう。
許可後の確認事項については、ビザ許可後に確認すべき手続きも確認しておきましょう。
卒業前でも就労ビザへ変更申請できるか
留学生の就職では、卒業前に内定が出て、卒業後すぐに入社したいケースが多くあります。
この場合、卒業前であっても、卒業見込み証明書や必要書類を準備して、在留資格変更許可申請を行うことがあります。
ただし、最終的に変更許可を受ける段階では、卒業証明書などが必要になることがあります。
4月入社を予定している場合、1月から3月は申請が集中しやすく、書類不足や申請時期の遅れがあると、希望する入社日に間に合わない可能性があります。
4月入社なら早めの申請準備が必要
4月から働き始めたい場合は、内定後できるだけ早く、本人側・会社側の書類を準備する必要があります。
出入国在留管理庁も、4月からの就労を希望する場合には、12月1日から1月末までの間に申請するよう案内しています。
会社側で雇用契約書や職務内容説明書の作成が遅れると、申請時期も遅れます。
採用が決まった段階で、ビザ変更のスケジュールを確認しておきましょう。
在留期限が先に来る場合は注意
留学の在留期限が卒業時期や入社予定日より前に来る場合は、特に注意が必要です。
在留期限までに適切な申請を行わなければ、在留資格の維持に問題が出る可能性があります。
留学の在留期限、卒業予定日、内定日、入社予定日、変更申請の時期を整理し、どの申請をいつ行うべきか確認しましょう。
留学生から就労ビザへの変更で必要になる主な書類
留学から就労ビザへ変更する場合、本人側の書類と会社側の書類の両方が必要になります。
必要書類は、会社の規模、本人の学歴、予定する仕事内容、企業カテゴリーなどによって変わります。
本人側で準備する書類
本人側で準備する主な書類は、次のとおりです。
- 在留資格変更許可申請書
- 写真
- パスポート
- 在留カード
- 履歴書
- 卒業証明書または卒業見込み証明書
- 成績証明書
- 専門学校の場合は専門士の称号を確認できる資料
- 資格証明書がある場合はその写し
- これまでの在留状況に関する資料
卒業前に申請する場合は、卒業見込み証明書で申請し、許可時に卒業証明書が必要になることがあります。
専門学校卒の場合は、成績証明書や履修科目から、専攻内容と仕事内容の関係を説明することが重要です。
会社側で準備する書類
会社側で準備する主な書類は、次のとおりです。
- 雇用契約書または労働条件通知書
- 採用通知書または内定通知書
- 会社案内
- 登記事項証明書
- 決算書類
- 給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表
- 職務内容説明書
- 採用理由書
- 事業内容が分かる資料
- 取引先や業務内容が分かる資料
会社のカテゴリーや一定の条件によっては、一部資料の省略が可能な場合があります。
ただし、資料を省略できる場合でも、仕事内容や本人の経歴との関連性まで省略できるわけではありません。
また、審査状況によっては、省略した書類の提出を求められることもあります。
職務内容説明書・採用理由書が重要
留学生から就労ビザへ変更する場合、職務内容説明書や採用理由書が重要になることがあります。
特に、専門学校卒、文系学部からIT職、専攻と仕事が完全には一致しない場合、小規模会社での採用では、説明書類が大切です。
職務内容説明書では、次の内容を整理します。
- 配属部署
- 具体的な担当業務
- 業務ごとの割合
- 使用する専門知識・技術・語学力
- 学校で学んだ内容との関連性
- 単純作業や現場作業が中心ではないこと
採用理由書では、会社がなぜその留学生を採用するのか、本人の学歴・語学力・専門知識をどのように活用するのかを整理します。
審査で見られる重要ポイント
留学から就労ビザへの変更では、本人の学歴や在留状況だけでなく、会社側の仕事内容や雇用条件も確認されます。
主なポイントは次のとおりです。
仕事内容が技術・人文知識・国際業務に合っているか
技術・人文知識・国際業務では、専門的な知識や技術、外国文化に基盤を有する業務であることが重要です。
たとえば、次のような業務は、内容によって検討しやすいです。
- ITエンジニア
- システム開発
- 設計
- 営業
- 企画
- マーケティング
- 経理・人事などの専門事務
- 通訳・翻訳
- 海外取引・貿易業務
一方で、工場ライン作業、倉庫作業、清掃、配達、飲食店の現場業務、店舗でのレジ・品出しなどが中心の場合は、技術・人文知識・国際業務として説明しにくいことがあります。
就労ビザで働ける職種については、就労ビザで働ける職種・仕事内容で整理しています。
専攻内容と仕事内容に関連性があるか
留学生から就労ビザへ変更する場合、学校で学んだ内容と、就職後の仕事内容との関連性が重要です。
大学卒の場合でも、専攻と仕事内容が大きく異なる場合は、履修科目、資格、実務経験、職務内容とのつながりを整理する必要があります。
専門学校卒の場合は、専攻内容と仕事内容の関連性がより重要になります。
たとえば、ビジネス系専門学校を卒業して営業・貿易事務・マーケティングに従事する場合は、履修科目と業務内容のつながりを説明します。
IT系専門学校を卒業してシステム開発を行う場合は、学んだプログラミング言語や開発科目と職務内容の関係を整理します。
給与が日本人と同等額以上か
就労ビザでは、日本人が同じ業務に従事する場合と同等額以上の報酬を受けることが重要です。
留学生の新卒採用であれば、同じ年度に入社する日本人新卒社員と比較して、不自然に低い給与になっていないかを確認します。
外国人であることを理由に給与を低く設定することは避けるべきです。
給与額については、就労ビザの給与・報酬額の注意点で整理しています。
会社の事業実態と採用理由
会社側では、実際に事業を行っていること、留学生を採用する必要性があること、給与を継続して支払えることを資料で説明します。
大企業であれば資料が比較的整理しやすい場合もありますが、小規模会社や設立間もない会社では、会社資料が重要になります。
会社案内、登記事項証明書、決算書、取引資料、事業計画、職務内容説明書、採用理由書などを組み合わせて説明しましょう。
留学中の在留状況に問題がないか
留学中の在留状況も確認されることがあります。
特に、出席率が低い、成績が著しく悪い、長期間学校に通っていない、資格外活動許可の範囲を超えてアルバイトをしていたなどの場合は注意が必要です。
就労ビザへの変更では、これまでの在留状況が適正だったかも見られることがあります。
不安がある場合は、申請前に事情や資料を整理しておきましょう。
専門学校卒の留学生が注意すべきポイント
専門学校卒の留学生が就労ビザへ変更する場合は、専攻内容と仕事内容の関連性が特に重要です。
専門学校を卒業しているだけでは足りず、学校で学んだ内容を就職後の業務で活かすことを説明する必要があります。
専攻と仕事内容がずれると不許可リスクが高くなる
専門学校卒の場合、専攻と仕事内容が大きくずれると、不許可リスクが高くなります。
たとえば、IT系の専門学校を卒業しているのに、就職先で飲食店のホール業務を中心に行う場合は、技術・人文知識・国際業務として説明しにくくなります。
また、観光・ホテル系の専門学校を卒業してホテルに就職する場合でも、実際の仕事が清掃、配膳、荷物運搬などの現場作業中心であれば注意が必要です。
職種名ではなく、実際の担当業務と業務割合を確認しましょう。
成績証明書・履修科目・シラバスを活用する
専門学校卒で申請する場合、卒業証明書だけでは説明が足りないことがあります。
成績証明書、履修科目、シラバス、授業内容、卒業制作、資格取得状況などを使って、学校で学んだ内容と就職後の仕事内容がつながっていることを説明します。
職務内容説明書では、学校で学んだ知識を、入社後のどの業務で使うのかを具体的に書くことが重要です。
単純作業・現場作業との区別を明確にする
専門学校卒の申請では、就職後の業務が単純作業や現場作業ではなく、専門的な知識を活用する業務であることを説明する必要があります。
たとえば、店舗勤務であっても、単なる接客・レジ・品出しではなく、海外向けマーケティング、外国語による法人対応、企画、通訳翻訳、管理業務などを担当する場合は、その内容を明確に整理します。
ただし、実態として現場作業が中心であれば、技術・人文知識・国際業務での変更は難しくなる可能性があります。
留学中のアルバイト超過・出席率・成績の影響
留学から就労ビザへ変更する場合、留学中の在留状況に問題がないかも確認されることがあります。
特に、資格外活動許可の範囲を超えるアルバイト、出席率の低さ、成績不良、長期欠席などは注意が必要です。
アルバイト超過がある場合
留学生は、資格外活動許可を受けている場合でも、認められた範囲を超えて働くことはできません。
アルバイト時間の超過がある場合、在留状況に問題があると見られ、就労ビザへの変更で不利になる可能性があります。
給与明細、源泉徴収票、課税証明書、勤務先の記録などから、アルバイト状況が確認されることがあります。
不安がある場合は、申請前に勤務期間、勤務時間、収入、資格外活動許可の有無を整理しておきましょう。
出席率・成績が低い場合
留学生は、学業を目的として在留しています。
出席率が低い、成績が著しく悪い、長期間学校に通っていない場合は、「留学」の活動を適切に行っていたかが問題になることがあります。
体調不良、家庭事情、学校側の事情など、やむを得ない理由がある場合は、資料や説明を整理する必要があります。
単に「内定があるから大丈夫」と考えず、留学中の在留状況も確認しましょう。
卒業できない場合
卒業見込みで申請していても、最終的に卒業できない場合は、就労ビザへの変更に大きな影響が出ます。
就労ビザの審査では、卒業証明書や学歴要件が重要になるため、卒業できない場合は申請方針を見直す必要があります。
会社側でも、卒業見込みの留学生を採用する場合は、卒業予定日、卒業見込み証明書、最終的な卒業証明書の取得時期を確認しておきましょう。
就労ビザへ変更できない・不許可になりやすいケース
留学から就労ビザへの変更では、次のようなケースで不許可リスクが高くなります。
仕事内容が単純作業・現場作業中心
就職先の仕事内容が、工場ライン作業、倉庫作業、清掃、配達、飲食店の現場業務、店舗でのレジ・品出しなどが中心の場合、技術・人文知識・国際業務として説明しにくくなります。
「外国語が話せる」「留学生だから採用した」という理由だけでは、専門的な業務とはいえない場合があります。
職務内容説明書では、専門業務の内容と業務割合を具体的に整理しましょう。
専攻と仕事内容の関連性が弱い
学校で学んだ内容と、就職後の仕事内容の関連性が弱い場合は注意が必要です。
特に、専門学校卒の場合、専攻と仕事内容の関係が弱いと不許可リスクが高くなります。
関連性が分かりにくい場合は、履修科目、成績証明書、シラバス、資格、職務内容説明書、採用理由書を使って補足します。
給与が低すぎる
給与が同じ業務を行う日本人と比べて不自然に低い場合、就労ビザの審査で問題になることがあります。
留学生の新卒採用では、日本人新卒社員と同等の給与水準になっているかを確認しましょう。
最低賃金を超えていればよいという考え方では不十分です。
会社資料が不足している
会社の事業内容や雇用の必要性が十分に説明できない場合も、不許可や追加資料につながることがあります。
設立間もない会社、小規模会社、赤字会社、外国人採用に慣れていない会社では、会社側資料を丁寧に整える必要があります。
会社案内、決算書、事業計画、取引資料、採用理由書、職務内容説明書などを組み合わせて、事業実態と採用の必要性を説明しましょう。
留学中の在留状況に問題がある
アルバイト超過、出席率の低さ、長期欠席、在留期限管理の不備などがある場合は、在留状況に問題があると見られる可能性があります。
不安がある場合は、申請前に事情を整理し、必要に応じて説明資料を準備します。
ビザ申請が不許可になる理由については、ビザ申請が不許可になる理由でも整理しています。
卒業後も就職活動を続ける場合
卒業までに就職先が決まらない場合、留学の在留資格のまま卒業後も長期間就職活動を続けられるわけではありません。
卒業後も引き続き就職活動を行う場合は、一定の要件のもとで「特定活動」への変更を検討することがあります。
この場合、学校からの推薦状や卒業証明書などが必要になることがあります。
就職活動を続けるための在留資格は、就労ビザとは別の問題です。
内定がある場合、内定後から採用までの滞在が問題になる場合、卒業後も就職活動を続ける場合では、検討すべき在留資格や必要書類が異なります。
注意:卒業後、何も手続きをしないまま「留学」の在留資格で滞在を続けることは危険です。卒業後の就職活動、内定後の待機期間、就労開始予定日などに応じて、必要な在留手続きを確認しましょう。
外国人留学生を採用する会社側の注意点
外国人留学生を採用する会社側では、採用前に就労ビザの要件を確認することが重要です。
本人任せにせず、会社側でも仕事内容、雇用契約書、会社資料、入社予定日を整理しましょう。
採用前に仕事内容を具体化する
会社側では、留学生に任せる仕事内容を具体的に決めておく必要があります。
「営業」「事務」「店舗スタッフ」「エンジニア」といった職種名だけではなく、実際にどのような業務を行うのか、どのような専門知識や語学力を使うのかを整理します。
業務内容があいまいなまま内定を出すと、ビザ申請の段階で説明が難しくなることがあります。
学校での専攻と業務の関連性を確認する
採用予定者の学校名、学部・学科、専攻、履修科目、卒業見込みを確認します。
特に専門学校卒の場合、専攻と仕事内容の関連性を説明できるかが重要です。
内定前または内定直後に、本人の成績証明書や履修科目を確認し、予定業務とのつながりを整理しましょう。
4月入社に間に合うように準備する
4月入社の留学生を採用する場合は、申請が集中する時期に注意が必要です。
会社側の書類準備が遅れると、入管への申請も遅れ、入社予定日に間に合わない可能性があります。
雇用契約書、採用理由書、職務内容説明書、会社資料を早めに準備し、本人側の卒業見込み証明書や成績証明書も確認しておきましょう。
許可前に働かせない
在留資格変更許可が出る前に、就労ビザで予定している仕事をさせることは避ける必要があります。
留学生が資格外活動許可を持っている場合でも、卒業後の就職先で正社員として働き始めることとは別問題です。
会社側は、在留カードの在留資格が変更されたことを確認してから、就労を開始させるようにしましょう。
許可後も申請内容と実際の業務を一致させる
就労ビザが許可された後も、申請時に説明した仕事内容と、実際に担当する業務が一致していることが重要です。
申請では専門業務として説明していたのに、入社後に単純作業や現場作業を中心に担当させると、次回更新で問題になる可能性があります。
外国人雇用時の確認事項については、外国人を雇用する会社が確認すべきビザ・在留資格で整理しています。
行政書士に相談したほうがよいケース
留学生から就労ビザへの変更は、本人の学歴、学校での専攻、仕事内容、会社資料、給与、在留状況を総合的に確認する必要があります。
特に、専門学校卒、4月入社、アルバイト超過、会社側資料に不安がある場合は、早めに相談したほうが安全です。
次のようなケースでは、行政書士に相談することをおすすめします。
- 留学から就労ビザへ変更したい
- 留学生を採用したい会社側で手続きを確認したい
- 卒業前に申請できるか知りたい
- 4月入社に間に合うか不安
- 専門学校卒で、専攻と仕事内容の関連性が不安
- 文系学部からIT職など、専攻と職種がずれている
- 営業職・事務職・ホテル業務・店舗関係で申請したい
- アルバイト超過や出席率に不安がある
- 会社が小規模・設立間もない・赤字である
- 職務内容説明書や採用理由書を作成したい
- 追加資料を求められた場合に対応できるか不安
- 過去に不許可になったことがある
留学生の就労ビザ変更は、申請時期が遅れると入社時期に影響します。
会社側も本人任せにせず、内定後すぐに仕事内容と必要書類を確認しましょう。
留学から就労ビザへ変更したい方・留学生を採用したい企業様へ
行政書士だいとう事務所では、留学生の就労ビザ変更、専門学校卒の関連性確認、職務内容説明書・採用理由書の作成、会社側資料の整理、追加資料対応をサポートしています。
奈良県を中心に、大阪・京都・兵庫など関西圏の企業様のほか、全国からのご相談にも対応しています。
留学から就労ビザへの変更に関するよくある質問
留学生は内定が出たらすぐ働けますか?
内定が出ただけでは働けません。留学から就労ビザへの在留資格変更許可を受けてから、就職先での就労を開始する必要があります。
卒業前でも就労ビザへ変更申請できますか?
卒業見込み証明書や必要書類を準備して、卒業前に申請できる場合があります。ただし、許可時には卒業証明書などが必要になることがあります。4月入社を希望する場合は、早めの準備が重要です。
専門学校卒でも就労ビザへ変更できますか?
変更できる可能性はあります。ただし、専門学校で学んだ専攻内容と、就職後の仕事内容に関連性があることが重要です。成績証明書、履修科目、職務内容説明書などで関連性を整理する必要があります。
文系学部からITエンジニアとして就労ビザへ変更できますか?
可能性はありますが、本人の履修科目、資格、実務経験、自己学習、職務内容との関連性を確認する必要があります。専攻と仕事内容が離れている場合は、説明資料が重要になります。
留学中にアルバイトをしすぎていた場合、不許可になりますか?
必ず不許可になるとは限りませんが、資格外活動許可の範囲を超えて働いていた場合は、在留状況に問題があると見られる可能性があります。勤務時間、収入、勤務先、事情を整理しておく必要があります。
飲食店やホテルに就職する場合も技術・人文知識・国際業務に変更できますか?
仕事内容によります。配膳、清掃、調理補助、レジなどの現場作業が中心の場合は難しいことがあります。一方、海外向け営業、企画、マーケティング、通訳翻訳、専門的な顧客対応などで説明できる場合は検討の余地があります。
4月入社に間に合わせるにはいつ申請すべきですか?
4月からの就労を希望する場合は、12月から1月末までの間に申請できるよう、内定後早めに本人側・会社側の書類を準備することが重要です。書類不足や申請時期の遅れがあると、入社予定日に間に合わない可能性があります。
就労ビザが不許可になった場合、再申請できますか?
再申請できる場合はあります。ただし、不許可理由を確認し、仕事内容、専攻との関連性、会社資料、在留状況などを補正する必要があります。不許可理由を整理しないまま再申請しても、再度不許可になる可能性があります。
まとめ:留学から就労ビザへの変更は、内定後すぐに準備することが重要
留学生が日本で就職する場合、原則として「留学」から就労可能な在留資格へ変更する必要があります。
多くのケースでは、技術・人文知識・国際業務への変更が検討されますが、内定があるだけでは許可されません。
確認すべきポイントは、次のとおりです。
- 就職先の仕事内容が就労ビザの範囲に合っているか
- 本人の学歴・専攻と仕事内容に関連性があるか
- 専門学校卒の場合、専攻内容と業務内容を資料で説明できるか
- 給与が日本人と同等額以上になっているか
- 会社側の事業実態や採用理由を説明できるか
- 卒業見込み証明書・卒業証明書・成績証明書を準備できるか
- アルバイト超過や出席率など、留学中の在留状況に問題がないか
- 4月入社に間に合うよう、早めに申請準備を進めているか
- 許可前に就労を開始しないようにしているか
留学から就労ビザへの変更は、本人だけでなく会社側の協力が必要な手続きです。
採用が決まった段階で、仕事内容、本人の専攻、必要書類、入社予定日を整理しておきましょう。
留学から就労ビザへ変更したい方へ
専門学校卒で専攻と仕事内容の関連性が不安、4月入社に間に合うか不安、アルバイト超過や出席率に不安がある場合は、早めにご相談ください。
行政書士だいとう事務所では、本人の学歴・専攻、就職先の仕事内容、会社資料、雇用条件、在留状況を確認したうえで、留学から就労ビザへの変更申請をサポートします。
次に確認したいページ
留学から就労ビザへの変更について、申請の相談、必要書類、専門学校卒の注意点に分けて確認できます。
