会社設立と経営・管理ビザ申請のタイミング|失敗しない進め方と注意点

会社設立とビザ申請は同時に考える必要がある

経営・管理ビザは、日本で会社を設立し、事業の経営または管理を行うための在留資格です。

このビザでは、会社設立とビザ申請は切り離して考えることができません。設立のタイミングと申請準備がずれていると、必要書類や事業計画に矛盾が生じ、不許可の原因になります。

2025年10月の制度改正により、資本金3,000万円以上や常勤職員の雇用などの要件が追加され、準備不足のまま進めることが難しくなっています。会社設立前の段階から、申請を見据えた計画を組み立てることが重要です。

制度全体の要件や審査の考え方については、経営・管理ビザの取得要件と審査ポイント|資本金・雇用・事業計画の実務ガイドで全体像を整理しています。


会社設立前に整理しておくべきポイント

会社を設立する前に、次の内容を具体的に整理しておく必要があります。

事業内容と収支計画

どのような事業を行うのか、誰に対してどのような商品やサービスを提供するのかを明確にします。あわせて、売上や費用、利益の見込みを数値で整理しておくことが重要です。

数値に根拠がない場合や、資本金とのバランスが取れていない場合は、審査で不自然と判断される可能性があります。

資本金の準備

改正後は、資本金または事業に投入する資産として3,000万円以上が必要です。単に金額を用意するだけでなく、資金の出所や入金経緯を説明できる状態にしておく必要があります。

資本金要件の改正内容や具体的な考え方については、経営・管理ビザの資本金要件は3,000万円以上|2025年改正の内容と申請で失敗しないポイントもあわせて確認しておく必要があります。

資金の出所や見せ金と判断されないための実務上の注意点については、経営・管理ビザで見せ金は認められるのか 資本金の使い方と審査ポイントで整理しています。

常勤職員の確保

日本人や永住者などの常勤職員を1名以上雇用することが必要です。採用時期や職務内容、給与水準などを事前に検討しておくと、設立後の準備がスムーズになります。

常勤職員の範囲や実務上の判断基準については、経営・管理ビザの常勤職員とは?雇用要件の対象・条件・実務上の注意点で確認しておくことが重要です。

事業計画の骨子

詳細な事業計画書は設立後に作成しますが、設立前の段階で骨子を固めておくことが重要です。

  • 売上計画
  • 営業方法
  • 顧客層
  • 競合との差別化

これらを整理しておくことで、後の申請準備の精度が大きく変わります。


会社設立後に行うべき準備

会社設立後は、ビザ申請に必要な書類と事業実体の整備を進めます。

会社関係書類の整備

以下の書類は必須になります。

  • 登記事項証明書
  • 定款
  • 株主・役員情報
  • 資本金の払込証明

これらは形式的に整っているだけでなく、事業計画との整合性が求められます。

オフィスの確保

事業を実際に行うための事務所が必要です。

  • バーチャルオフィスのみ → 認められない
  • 自宅兼事務所 → 原則不可

契約書や事務所の写真などにより、事業の実体を示せる状態にしておく必要があります。

雇用体制の構築

常勤職員については、雇用契約書や社会保険の手続きなど、実際に雇用していることを証明できる状態が求められます。

単なる予定ではなく、実態として雇用されていることが重要です。

オフィスの要件や認められる形態については、経営・管理ビザのオフィス要件|バーチャルオフィス・自宅兼事務所は認められるのかで詳しく整理しています。


申請タイミングは「設立直後」が基本

申請のタイミングは、許可率に大きく影響します。

設立前申請のリスク

会社設立前に申請する場合、資本金や事業内容が確定していないため、補足資料や説明が多く必要になります。結果として、審査のハードルが高くなります。

設立直後申請のメリット

設立後であれば、

  • 登記簿
  • 資本金の払込証明
  • オフィス契約書
  • 雇用関係書類

などが揃っているため、審査において事業の実体を示しやすくなります。

そのため、実務上は「会社設立後に申請する」流れが基本になります。

審査期間の目安や追加資料による遅延リスクについては、経営・管理ビザの審査期間はどれくらいかかるのか 長引く理由と対策も確認しておくと実務上の見通しが立てやすくなります。


申請前に確認しておくべきポイント

申請前には、次の点を必ず確認しておく必要があります。

資本金と事業計画の整合性

資本金に対して売上や費用が不自然でないかを確認します。資金規模と事業規模が一致していない場合、不許可の原因になります。

オフィスの実体

契約内容や使用状況が曖昧な場合、事業実体がないと判断される可能性があります。

雇用の実態

雇用契約だけでなく、勤務実態や給与支払いなども確認されます。

事業計画の具体性

抽象的な説明ではなく、数値や根拠を伴った内容にすることが必要です。

事業計画の具体的な作成方法については、経営・管理ビザの事業計画書の書き方|審査で見られるポイントと不許可を避けるコツで整理しています。


不許可になりやすいケース

次のようなケースは、初回申請で問題になりやすい傾向があります。

  • 資本金は満たしているが事業計画が曖昧
  • オフィスが実態として機能していない
  • 常勤職員の雇用が形式的
  • 数値計画に根拠がない

これらは準備段階で防ぐことができるため、事前の確認が重要です。

不許可となる典型的なパターンや審査の着眼点については、経営・管理ビザが不許可になる理由とは 審査で見られるポイントと対策で確認できます。


まとめ

会社設立と経営・管理ビザ申請は、同時に計画する必要があります。

特に2025年の制度改正により、

  • 資本金3,000万円以上
  • 常勤職員の雇用
  • 事業計画の具体性

が求められるようになり、準備不足のまま進めることは難しくなっています。

設立前から申請を見据えて準備を行い、設立後は速やかに必要書類と体制を整えることが、許可につながる重要なポイントです。

在留期間の考え方や更新時の評価ポイントについては、経営・管理ビザは何年もらえるのか 在留期間の決まり方と1年・3年の違いもあわせて確認しておくと、長期的な事業計画を立てやすくなります。

ビザについてさらに知りたい方へ

在留資格(ビザ)の種類や申請の流れ、注意点などについて全体を知りたい方は、「ビザの記事まとめ」もご覧ください。

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