奈良・生駒の企業が外国人を初めて採用する時に知っておくべきこと
奈良市・生駒市の企業から「外国人を採用したいが、何から手を付ければいいのか分からない」という相談が増えています。外国人材の雇用は大きな戦力になりますが、手続きやルールを理解していないと後でトラブルになることもあります。
ここでは、初めて外国人を採用する企業が必ず知っておくべきポイントを分かりやすく解説します。
外国人を雇用する際の最初のチェックポイント
外国人を採用するとき、最初に確認すべきことは次の2つです。
- 日本で働ける在留資格を持っているか
- その在留資格で「どんな仕事ができるか」
在留資格ごとに働ける内容が決まっており、企業の判断で自由に変えることはできません。業務内容がビザの範囲とズレていると、更新時に不許可となる可能性があります。
奈良・生駒で多い採用パターンと注意点
奈良県では中小企業や店舗、医療・福祉施設が多く、次のような採用パターンが特に多い傾向があります。
- 技術・人文知識・国際業務(技人国)での事務職・翻訳・エンジニア
- 特定技能での介護・製造・外食
- 留学生のアルバイトから正社員雇用への切り替え
これらは在留資格の範囲が明確なので、仕事内容の設計と書類準備がポイントになります。
日本で働ける在留資格の種類を理解する
企業が知っておくべき代表的な在留資格は次のとおりです。
- 技術・人文知識・国際業務(オフィス業務・専門職・エンジニア)
- 特定技能(介護・外食・製造など12分野)
- 高度専門職
- 経営・管理
特に特定技能は、職種や業務範囲が細かく決められているため、採用前に適合しているか必ず確認する必要があります。
採用前に企業側が準備する書類
採用後のビザ申請には、企業側の資料が必要になります。具体的には次のようなものです。
- 会社概要
- 事業内容を示す資料
- 決算書や給与台帳
- 雇用契約書
- 就業規則や勤務形態が分かる資料
- 実際の業務内容の説明資料
奈良・生駒の企業は中小企業が多いため、事業説明資料が弱いまま申請して不許可になるケースが目立ちます。
給与設定は「適正かどうか」が重要
給与が安すぎると不許可の原因になります。最低賃金以上であれば良いというわけではなく、仕事内容に見合った水準であるかが審査されます。
- エンジニアなのに給与が事務員並み
- 留学生アルバイトからの正社員切替で極端に安い給与
- 業務内容に対して専門性の評価ができない給与設定
このような場合は注意が必要です。
留学生を採用する場合のポイント
奈良県内の大学・専門学校から採用するケースも多いですが、次の点に注意が必要です。
- 卒業後、在留資格の切替が必要
- 専攻と仕事内容が一致しているか
- 正社員雇用として適切な給与か
専攻と業務内容が合っていないと、技人国への切り替えが不許可になることがあります。
就労開始までの大まかな流れ
外国人を採用して働き始めるまでの流れは次の通りです。
- 求人・面接
- 在留資格の確認(働ける資格があるか)
- 業務内容とビザの適合チェック
- 企業側の書類準備
- 在留資格変更・更新の申請
- 許可後に正式に就労開始
奈良・生駒の場合は大阪入管での手続きが中心になるため、審査期間も考慮してスケジュールを組む必要があります。
外国人を雇う企業がやってしまいがちなミス
- 仕事内容とビザの範囲がズレている
- 給与設定が低い
- 奈良出張所で手続きできない内容を持っていってしまう
- 届出義務(転職や契約変更)を忘れる
- 企業資料が不十分で審査が止まる
最初の1人目の採用ほど、ミスが起きやすい傾向があります。
まとめ
外国人採用は、企業にとって大きな戦力になりますが、ビザの仕組みを理解していないと不許可やトラブルにつながります。
奈良・生駒地域は中小企業が多いため、企業資料の整備と業務内容の説明が特に重要です。採用前に十分な準備を行い、必要であれば専門家に相談することで、スムーズに雇用を進められます。
